味の濃い写真私は店主 / By hitotema / 2023年4月22日 写真を撮るのが好きだ。でも私の場合、あまり難しいことはできない。目の前にあるものを切り取るようにシャッターを押す。「パシャ」と乾いた音がしてカメラの小さな画面に切り取った結果が表れる。その時にただのありふれた場面が、カメラの力で一層美しく見えたりすると急に写真がうまくなった気がして、わくわくしてくるのだ。デジタルのカメラは、誰にでもそこそこの写真を撮らせてくれるようにできている。誰にでも。 最近、家に帰って撮った写真をパソコンで見た時に、がっかりすることがしばしばある。撮った直後はうまく撮れたと納得したはずなのになぜかわくわくしない写真ばかりなのだ。子どもの頃、ちょうちょをうまく捕まえた・・・と思ったのに虫取り網の中にはなにも捕れておらず、がっかりした・・・あの感じである。思うに、原因はインスタかもしれない。デジタルカメラは誰でも「美味しい」写真を撮らせてくれるが、さらに「加工」という味付けをすることで、自分の好みを際立させることができる。インスタには加工された写真があふれているので、それを日常的に見ていると濃い味でなければ食べた気がしなくなったのかもしれない。加工も含めて自分の表現なのだとしたら、それはありだと思うけれどまだなんとなく、すんなり飲み込む気になれず時々インスタから離れてアナログ時代の古いモノクロ写真集を広げてみる。