やっと見つけた!私は店主 / By hitotema / 2022年8月27日 子どもの頃、繰り返し読んでいた本を長年探している。その本は誰かからのお下がりで、確かうちに来た時には、すでに使用感満載の状態だった。「やや小さめの、赤いハードカバーの本」「短い世界のお話を何編も収録してある」はっきり覚えているのは、そのくらいのことで実家に尋ねても、私の子供のころの本は親戚の子らにあげてしまったという。時々この本のことを思い出し、思いつく限りのキーワードを入れて繰り返し検索、ようやく最近、本のタイトルが「世界の童話 2年生」だということに辿りついたここまでわかったら、あとは現物を探すのみ・・・と思ったけれど、これがなかなか見つからない。なにせ60年以上前に出版された本だ。しかもありふれたタイトルで子ども部屋の片づけをするなら、一番最初に処分されそうなひねりのなさである。「でも、どこかにきっとあるはず」調べる場所を変えながら探していると、うちから少し離れた場所の図書館で、持ち出し禁止の書庫に収められていることがわかった。土曜日。電車とバスに乗りさらに少し歩いて、初めての図書館に会いに行った。「坪田文庫」という特別な棚から出てきた本には、見慣れないカバーがかかっていた。私が読んでいた本が「赤いハードカバー」だったのは、上にかけてあったはずのカバーがなくなっていたらしい。借りて帰れない本を指定された閲覧席でひろげた。すっかり忘れていた挿絵、懐かしいストーリー。文字の大きな子ども向けの本は、あっという間に読めてしまった。長年の想いが遂げられた喜び。と、同時に強く強く思った。 やっぱり欲しい・・・この本をお持ちの方はご一報ください。